ちょっと小耳に…
ここでは、私の経験談からのお話をします。
もちろん、これが全てでは無いとは思いますが、
そうそう珍しい話ではないと思います。
皆さんの参考になればと思い、ここに記しておきます。


□病院のお話□

使いまわし
昔、少しの間、勤めた病院のお話です。
まずビックリしたのが、医療器具の使いまわしです。
注射針・縫合針・縫合糸・シリンジ・メスの刃など、本来、消耗品であるも
のをもったいないからという理由から…。注射針・シリンジ・縫合針は
一応消毒はしていましたが、ただ消毒液に浸けておくだけで滅菌などは
一切していません。それ以前に、針はどんどん鋭利さをなくしていくた
め、動物は痛がります。交換時は、皮膚をなかなか貫通しなくなってから・…。
縫合糸にいたっては、普通は他の患畜の体内に入ったものを使うなんて、
普通じゃ考えられませんが、これも一応消毒液には浸けていたものの、
縫合が終わり、あまった部分をもったいないからといって、次の手術に使います。
メスの刃にいたっても、皮膚が切れなくなってきたら交換時。
その他の医療器具についても、カンシ・外科バサミ・はしんき・ピンセット…
など全て合成洗剤で洗うのみ。病院には滅菌器具・殺菌器具などそろっ
ているのにも関わらず、これももったいないから。ずっと使っていない
ので、滅菌器などはサビついていました。次に最も基本的な事、手を洗いません。
私が手術前に手を洗っていると、どうせ汚れるんだからそんなのいいという。
さすがに石鹸くらいは置いてましたが、医療用の消毒洗剤などもありませんでした。


ペットホテル
『急にエサが変わると食べなくなるので持ち込み』が基本でした。
そこまではいいのですが、持ち込ませておいて、実際はそのエサをあげません。
持ち込んでもらったエサは袋が開いていない新しいものは病院のストックにし、
袋の空いているものから順番にあげていきます。飼い主さんが自分で
袋分けにしているものなどは、さすがにあげますが…。動物たち(特に猫)は
環境の変化の上にエサまで変わり、食べない子がほとんどです。
でも院長は決まって『2.3日くらい食べなくても気にする事はない』と。
飼い主さんは動物の事を思って、せめてホテルの間だけでもオイシイも
のを…と缶詰を持ってきたりしますが、それももったいないからあげて
はダメ、これは僕の家の犬にあげると、缶詰類は院長が持って帰ったり、
入院中の食欲がなくなっている子用にまわします。


手術室?
狭い病院だったため、手術室は休憩室と化していました。
手術台は、食事はもちろん、喫煙所でもあり、いつも煙が立ち込めています。
暇さえあればコーヒーとタバコ片手に手術室で雑談。そして灰で汚れた
台と手、そんな状態で手術が行われます。タバコ片手に手術をしている
事さえありました。


不治の病?
院長以外に、常勤の先生が一人いました。その先生はとても熱心に日々
勉強されており、とてもよく動物を診てくださる方で、院長とぶつかり
ながらもやっておられました。でもその先生が休みの日は悲惨でした。
院長は年だというのもあり、目も見えにくくなっているのと、手もうまく動かせな
いような、典型的なおじいさん。自分で出来ない手術が必要だったりす
ると、全て原因不明の病とします。私は当時まだ右も左もわからない状
態だったので、うる覚えですが、私がちょうど休みの日に胃捻転の犬が
やって来た時の事です。胃捻転は、すぐに気がつきさえすれば、簡単な
手術ですぐ治ります。でも二時間くらいが勝負です。それまでに気づか
れず放って置くと簡単に死んでしまいます。それもレントゲンをとれば
わかります。しかし、レントゲンをとったに関わらず、院長は原因不明
でどうしようもないからと飼い主を帰したそうです。先輩のAHTの方
が見たところ、絶対あれは胃捻転だと、すぐに他の病院に行ってたら、
治ってるだろうけど、もしそのままでいたら、今ごろ…と嘆いていまし
た。そして、次の日、先生が出勤してきたので、レントゲン写真を見せ
て確認してみると、先生も先輩と同じ事をおっしゃられました・・・。
そして『いつもの事だ』と・・・・
それ以外にも出来ない難しい手術(以前いた名医の行っていた手術を見
よう見マネで)を本を見ながら行って、死亡させた事もありました…。


AHTが手術?
ある時、その先生が辞める事になりました。その時院長が私達に言った
言葉…『僕は目も見えにくいし手も動きにくくなってきてるから、先生
が辞める前までには二人(私と先輩)が、避妊・去勢手術くらいは出来る
ようになっておいて』と・・・。その後、私は病院を辞めたのでどうな
ったのかはわかりません。。。
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